ダイエット
■肉の脂肪
 有名な月刊女性誌に、若手女優の「ダイエットのために肉を食べない」というダイエット法が紹介されていました。野菜や穀類などを中心にして、筋肉トレーニングも欠かさず、体脂肪率が10%になったこともあったといいます。体脂肪を減らすダイエットに人気が集まっていますが、現在の牛肉、鶏肉、豚肉などの安全性の問題もあって、肉を食べずに体脂肪を減らすダイエットの人気が高まりそうです。

 この記事では、肉を食べない代わりに、たんぱく源として何を食べているのかについては触れてはいませんでしたが、人間の体は動物性のたんぱく質そのものだけに、食事として動物性たんぱく質を摂らずには健康な体を作ることはできません。同じたんぱく質であっても、大豆や大豆製品(納豆、豆腐)などの植物性たんぱく質には人間に必要なアミノ酸の一部が不足しているので、動物性たんぱく質を摂る必要があるのです。

 人間の体に必要な20種類のアミノ酸のうち、9種類は体内では合成されないために食事から摂らなければなりません。これを必須アミノ酸といいます。植物性たんぱく質は必須アミノ酸のうちバリン、スレオニンが必要量に対して不足しています。アミノ酸は必要量に達していないと、他のアミノ酸と組み合わされて体に必要なたんぱく質を充分に作り出すことができなくなるのです。

 肉類には脂肪も多く含まれています。これが肉類を避ける原因になっているようですが、脂肪にも健康維持に役立つ働きがあります。また、脂肪の中でもコレステロールは細胞膜の材料であり、ホルモンはコレステロールを原料にしていることもあって、コレステロールが不足する食生活は健康を細胞レベルから低下させることになります。コレステロールは動脈硬化などの要因となることから悪者扱いされがちですが、不足することは健康維持にはマイナスとなります。もちろん、美容など肌の健康にも悪影響が出るようになります。

 世界には宗教上の観点から肉も魚も給食で出さない病院があります。日本にも、そういった病院がありますが、その病院でも卵と牛乳は出されています。こういった食事は「卵乳菜食」と呼ばれています。鶏卵も牛乳も肉、魚と並んで、アミノ酸のバランスがよく、必要量にも達しています。そこで肉を食べない場合には魚介類、卵類、乳製品を摂ることが大切になるわけです。それなのに肉類、魚介類、卵類、乳製品を摂る量が少なすぎると、体重が落ちて、体脂肪の割合が下がったとしても、細胞が弱くなり、抵抗力なども低下して、決して健康的なダイエットとはいえなくなります。

 もう一つ気になるのは、体脂肪の割合です。健康的な体脂肪の割合は、年齢などによっても異なりますが、女性の場合には15〜27%が正常範囲とされています。女性は体脂肪率が30%を超えたら肥満となります。男性の場合には13〜23%が正常範囲で、25%以上が肥満です。体脂肪は、多すぎるのは生活習慣病の要因となりますが、少ないと抵抗力が弱まり、病原菌などに侵されやすくもなります。女性は体脂肪が13%を下回るとホルモン分泌などに影響が出るようになり、10%を下回ると生理が止まるといった体への悪影響が現れるようになります。

 女性の体で体脂肪が多くついているのはバスト、ヒップ、腹部などで、全体の体脂肪が少なくなっていくときにはバスト、ヒップの脂肪が落ちていきます。中でもバストの脂肪の落ち方は大きく、胸からやせていくということになります。ところが、体脂肪が増えていくときには、バストからついていくということはなくて、腹部や大腿部など、あまりついてほしくないところの脂肪が増えていきます。体脂肪が減ったり、増えたりを繰り返していたら、理想的な体型を望むことはむずかしくなるでしょう。