ダイエット
■日本人は太りやすい
 私たちの体の中には、食欲を調整して、消費エネルギーを増減させるホルモンがあります。このホルモンの働きによっては、同じように食べて、同じように体を動かしても太りやすくなる人がいます。このタイプが、実は日本人には多いのです。このホルモンはレプチンといって、体内の脂肪組織が増えると、遺伝子の働きによって活発に作られるようになります。レプチンは脳の視床下部にある満腹中枢を刺激して、自律神経の交感神経を活発に働かせ、食欲を抑えると同時に、エネルギー消費を高め、脂肪細胞を減らすように作用します。このことによって体重が減少していくわけです。

 この働きが正常に行われていれば、それほど太ることはないわけですが、レプチンが働きにくくなる遺伝子があり、この遺伝子を持った人が日本人には多いのです。レプチンは脂肪細胞にある受容体に交感神経の指令が受け取られて働きますが、この指令を途中で途切れさせる遺伝子が存在しています。この遺伝子があると、脂肪組織からレプチンが分泌されても脂肪細胞をエネルギーとしにくく、しかも食欲を抑えられないために太るようになります。このために、この遺伝子は肥満遺伝子、倹約遺伝子と呼ばれていて、日本人の約30%は、この遺伝子を持っているといいます。肥満遺伝子が一番多いのはネイティブ・アメリカンの一種族で、それに次ぐのが日本人です。

 日本人は低栄養の時代が長かったために、できるだけエネルギー消費を減らし、脂肪を蓄えるように体が変化してきました。これは食べる量が少ない時代、エネルギー量が少ない時代には有利に働いていましたが、今のように好きなものを、好きなときに、好きなだけ食べられる時代にはマイナスに働いて、肥満や糖尿病などの生活習慣病の大きな要因ともなりかねません。同じだけ食べても太りやすく、糖尿病などになりやすい民族であるだけに、脂肪の摂取などに気をつけて、体重をコントロールするようにしたいものです。