フィットネス
■腰痛対策は筋肉をつけるだけではいけない
日曜日夜の健康バラエティ番組で、膝痛をテーマに取り上げ、その改善法を紹介していました。姿勢の悪さ、よくない歩き方などによって若い人にも膝の関節痛が増えていると警鐘を鳴らして、その原因を詳しく説明するとともに、改善のために膝の周りの筋肉をつけること、そのための運動法なども紹介していました。これはよいことではあっても、番組の前提が「膝の軟骨は再生しない」ということであったのには、疑問を感じるというよりも驚きを感じました。

膝の軟骨は非常に滑りがよくて、そのために骨と骨とが強く摩擦されることなく、スムーズな動きを得ることができます。ところが、年齢を重ねるにつれて膝軟骨の材料が不足したり、強い刺激がかかりすぎると、だんだんと膝軟骨がすり減ってきます。すると、膝の骨が摩擦によってトゲトゲした状態になり、反対側の骨の神経を刺激するようになります。これが膝の痛みの原因となっています。軟骨の材料はグルコサミンと呼ばれるムコ多糖類の軟骨細胞の成分で、ブドウ糖から合成されるアミノ糖の一種です。体内で合成されていますが、年齢を重ねると合成量が減ってきます。そのために膝関節のようにすり減りやすい部位ではグルコサミンが不足して、軟骨が減ってくるというわけです。

減ってくるなら、体の中で作られる量を増やせばよいではないか、作られるように材料を体の中に多く入れてやればよいではないか、と考えるのは当然のことです。その材料として注目されているのがカニやエビなどの甲殻類の殻から作られたグルコサミンです。カニやエビの殻を精製するとキチン・キトサンという動物性食物繊維となります。これは腸からは吸収されず、脂肪を吸着する作用があるために、ダイエット素材として使われています。この吸収されないキチン・キトサンを、再度精製するとグルコサミンとなります。これは吸収されて、軟骨部分に運ばれていきます。そして、軟骨にある細胞によって軟骨に定着していきます。その働きを助けるとともに、潤滑液の役目をしているのがコンドロイチンで、両方を摂ることで軟骨の再生が進みやすく、滑りもよくなって膝関節の痛みを改善することができるというわけです。

こういったことから、膝痛を抱える多くの人たちの救いになっていて、整形外科などに通いながら、グルコサミンとコンドロイチンの健康食品を愛用している人も多くなっています。こういったものがあると医療機関に通う人が減ることもあって、専門医の中にはグルコサミンを認めない、それどころか軟骨が再生することを認めない人が多いのも事実です。では、グルコサミンを摂っていれば軟骨が再生されるのかというと、そう簡単にはいきません。膝が痛くても膝を動かす運動やウォーキングが必要なのです。これは筋肉を強くするためだけにすることではありません。膝関節は滑膜という袋に包まれた状態になっていて、膝関節の軟骨部分には血管が通っていません。そのために軟骨に必要な成分は、血管から軟骨に入ってからでなければ軟骨には届けられないのです。血管から滑膜に成分が入るためには、滑膜が動いてポンプ作用が起こることが必要で、そのためには膝関節を動かさなければいけないのです。

痛みを改善するために、その痛む部分を動かさなければいけないというわけですが、医療機関の多くでは痛みを弱めるために鎮痛効果のある薬が使われたり、動かすことで炎症を起こすために冷やしたりという方法が使われます。グルコサミンを補っていれば、動かしているうちに、だんだんと軟骨が再生されていって、痛みを弱まり、運動を続けられるようになるということで、膝痛の改善や予防に運動をする人には、グルコサミンの情報も伝えるべきではないでしょうか。