フィットネス
■活性酸素は本当に悪玉か
■活性酸素って何?

健康について語られるとき、必ずといっていいほど出てくる言葉のひとつに「活性酸素」があります。活性酸素が話題にのぼりはじめたころには、「酸素は生きていくために必要なものだし、それが活性しているのだから健康によいものではないか」という声が数多く聞かれたものでした。しかし、活性酸素の仕組みが明らかになるにつれて、こういった声はだんだん聞かれなくなり、健康に悪影響を与え、老化に関わるものだという認識が高まっていきました。

活性酸素は、酸素の電子のバランスが崩れたものです。一つの酸素にはプラスとマイナスの電子が4対存在していますが、この電子の1個が欠けると活性酸素となります。呼吸によって体の中に取り込んだ酸素は、筋肉細胞の中で糖質、脂質、たんぱく質の三大エネルギー源がエネルギー化されるときに使われますが、このときに細胞の中で活性酸素が作られます。その量は、吸い込んだ酸素のうち2〜3%といわれています。

■活性酸素は病原体と戦う力
こういった仕組みが体の中にそなわっているのは、細菌などの病原体などを破壊するためです。活性酸素は欠けた電子をほかから奪って正常な酸素に戻っていきますが、病原体は電子を奪われることで破壊されます。電子に着目すると、病原体の細胞は分子で構成されていて、分子一つひとつはプラスとマイナスの電子がバランスをとって存在しています。活性酸素が発生して 分子の中の電子が一つ奪われると、この分子は電子のバランスをとるために他の分子から電子を奪っていきます。こうして次々に電子が奪われていって、細胞の核の電子が奪われると、この細胞は働くことができなくなって、破壊されてしまいます。細胞の破壊は一つだけでは終わらず、電子が欠けている限りは次々に隣の細胞から電子を奪って、ドミノ倒し式に壊していくことになります。

こうして体を守る仕組みの一つが活性酸素ですが、活性酸素が体内で多量に発生すると、自分の体の細胞から電子を奪って、自分の体を傷つけていくことになります。細胞が傷つけられると発ガン物質などの有害物質に侵されやすくなります。細胞が次々に破壊されると、血管も臓器も傷んでしまい、これが続くと病気も引き起こされるようにもなります。また、血液中のコレステロールが活性酸素によって酸化すると、動脈硬化の引きがねになることも知られています。こういったことから、病気の90%に活性酸素が関係しているといわれているのです。


■身の周りは活性酸素の発生要因ばかり
あるテレビの健康番組の中で、「活性酸素は必要なので、あえて消す必要はない」という主張がされていました。活性酸素を消去しすぎないように、あまり抗酸化食品は摂らないほうがいいということまで言っていました。確かに活性酸素は悪さをするだけではなく、重要な免疫の一つではあるわけですが、これは活性酸素が、それほど発生しないという前提での話。吸い込んだ酸素の2〜3%が活性酸素になるということで、運動をすると発生量は増えます。ジョギング程度でも活性酸素は平常時の10倍以上にもなります。

活性酸素は、このほかにも農薬、食品添加物、薬剤、化学物質、排気ガス、タバコ、アルコール、紫外線、放射線、電磁波、体の傷や炎症、水道水の塩素、ストレスなどによっても体内で大量に発生します。私たちは活性酸素の大量発生を抑えることができない環境の中で暮らしているのです。有害物質が体内に入ってくると、これらを白血球が取り込み、白血球は活性酸素を使って破壊、無害化していきます。破壊すると白血球は次の有害物質を取り入れますが、このときに活性酸素が白血球から漏れ出ます。このために有害物質が多くなるほど体内の活性酸素は増えていくのです。活性酸素を消去するように抗酸化物質を取り入れたからといっても、それで病原体などを破壊する力が低下するほど活性酸素が減るようなことはないのです。